首都圏新築マンション市場の契約率が大幅に悪化しています。契約率が40%台を切るのは明らかに販売不調のサインです。しかもこの数字は各マンションデベロッパーの自己申告数字であるゆえ、実態より高めに出る傾向にあり、実態はもっと悪いのかもしれません。

その理由は「消費増税の影響」や「供給過剰」ではなく「価格が高騰しすぎた」「専有面積縮小」「間取りや仕様の悪化」などが理由だと思います。2012年の民主党から自民党への政権交代以降一貫して価格上昇を続けてきた新築マンションはそのプロセスで、お菓子の箱が小さくなる実質値上げと同じ要領で、専有面積を縮め、設備の仕様を落としてきたのです。10年前に3LDKといえば75平米程度でしたが、昨今の新築マンションは60平米台前半です。

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発売戸数や契約率を大幅に減らしているのに意外と価格が下がらないのは、大手寡占が進んでいるため。いわゆる「メジャーセブン」といった大手マンションデベロッパーの占有比率はかつて20%そこそこであり、リーマン・ショックの際には中小デべが耐え切れず投げ売りが起こり、多くのデベロッパーが破綻しました。昨今の大手占有率は50%程度。資金的な体力のある大手のマンションゆえ、投げ売りが出にくい構造です。

https://www.fudousankeizai.co.jp/sha…/mansion/…/a1jsa3y8.pdf

一方で中古マンション市場は好調です。新築に魅力がない分、中古に流れているといった側面も大きいのでしょう。

マンション市場で最も敏感なのは都心3区(中央・千代田・港区)の中古マンション成約単価。グラフの通り見事に日経平均株価に連動しています。都心3区の動きは東京都区部に波及し、それが神奈川・埼玉・千葉へと連動していくといった流れです。今後の趨勢は、結局は株価次第ということですが、グラフを見てもわかる通り、株価が仮に民主党政権時のように、現行の3分の一程度の8000円割れ程度となっても、不動産価格は3分の1にはならず、35~40%程度の下落とでしょう。ただし民主党政権時に比べ金利水準が一段と低下していることをふまえると、そこまでの下落とはならなそうです。

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さてここまでマンション市場全体の話をしてきましたが、その実態は、個性的な事情を持った売主と、同様に個性的な嗜好や事情を持った買主との、一対一の交渉による相対取引。そこには「運」や「ご縁」「タイミング」「熱意」といった要素も絡むものです。

あなたの不動産売買がよりしあわせなものとなるよう、お祈りしています。