中古住宅の大規模なメンテナンスサイクルは、おおむね「15年ごと」と見ておけばよいでしょう。ここでいう大規模なメンテナンスとは屋根や外壁などのいわゆる「外まわり」のことです。屋根材や外壁材をについて劣化防止のために再塗装を行なう、必要に応じて交換するなどです。

市場に売りに出ている中古住宅で、築15年を経過しているのに外装の修繕が行われていない中古住宅は、外壁がなんとなくくすんでいる、複数箇所にひび割れが目立つ、ゴム状のシーリング材が収縮して隙間があいているなどで、ぱっと見はなんともみすぼらしい印象を与えるため、市場では敬遠されがちで、販売期間が伸びるなどして売りにくいものです。しかし実際にはメンテナンスを行えばまだ十分に居住可能であるものも多く、築15年-20程度経過し、かつ外装メンテナンスを施していない中古住宅は、価格もある程度落ちて割安感もあり、結果としてお買い得になることがあります。

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【写真1】モルタル塗りの外壁。写真のように、白い粉が付着するならメンテナンスの時期

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【写真2】ひび割れは雨漏り防止のため補修が必要

ただしここで注意しなければならないのは「雨漏り」や「水漏れ」である。 神奈川県K市に建つ築19年の中古住宅。ホームインスペクション(住宅診断)の結果、屋根や外壁からの雨漏りは発見されなかったものの、意外な箇所から水漏れしていました。【写真3】は洗面室の床下部分。広範囲にわたって水漏れの形跡がありましたが、原因は雨漏りや配管の水漏れなどではなく、入浴後に濡れた体で洗面室に出入りするいったことを長年に渡り続けているうち、浴室と洗面室の隙間から床下に向かってジワリと水漏れが浸透しているといったものです。

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【写真3】洗面室の部分の床下は水漏れに要注意

土台木部の水分含有率は37パーセント。水分含有率は20パーセントを超えるとシロアリや腐食の温床となりえます。診断時点ではシロアリの形跡は見られなかったものの、このまま放置しておけばやがて侵食されるでしょう。

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水分含有率20%超は危険水準

この中古住宅を買って、その後も問題なく住むには、洗面室部分の補修に加えて床下土台の一部交換が必要です。工事に要する費用は200万円弱。さらに外壁を始め劣化が進行した部分のメンテナンスも必要です。買主のTさんは売主に対し、売り出し価格から補修費用を割り引いた価格での購入を提示。売主もその妥当性におおむね納得し、提示されたよりやや高めのラインで成約。リフォームの減税制度や補助金をフル活用し、Tさんにとっては納得の買い物となったようです。