「リフォーム」といえば昔から消費者トラブルの鉄板ネタですが、ここにきて明らかに「リフォーム・リノベーション」の世界でトラブルが増加している感があります。それはなぜか。

国が「2025年までに中古・リフォーム市場を2倍にする」といった目標を掲げたためです。みなさんご存知のように日本は新築住宅流通が圧倒的に多く、対して中古住宅流通は圧倒的に少なかったのですが、他先進国では逆で、むしろ中古住宅が主流です。平たく言えば日本の住宅市場は高度経済成長モデルであり、中国やマレーシア・タイ・インドネシア・フィリピンなどと同じ構図。このモデルから脱却し、欧米など他先進国・成熟国の住宅市場モデルへと脱却しようというわけです。

こうした方針転換もあり、2016年17年には首都圏中古マンション成約数が新築マンション発売戸数を上回るという現象が起きています。この流れは不可逆的で、未来の住宅市場では、住宅を買うといえば中古をまずイメージするといった風潮・常識が定着するでしょう。

しかし、市場の変革期には問題・トラブルがつきもの。国の方針転換によってリフォーム・リノベーション事業に補助金がついたり税制優遇策がとられ、消費者が中古住宅に目を向けるようになると、これをビジネスチャンスととらえた不動産事業者が、中古・リフォーム・リノベーション事業に続々参入してきました。この流れはもちろん良いことなのですが、経験・実績の少ないプレーヤーが増加していることも意味します。

さくら事務所には、様々なリフォーム・リノベーショントラブル情報が集まってきますが、代表的なのは「リノベーションを依頼したが、思っていたのと違った」「工事が雑だった」「すぐに雨漏りした」といったもの。住宅購入という大きな決断をして、多額のローンを組んで、期待いっぱいだったのにこれでは本当にがっかりです。

そもそも不動産業者(宅建業者)というのはおしなべて建物に詳しくありません。宅建業の代表資格には「宅地建物取引士」がありますが、この資格取得では建物の知識を問われることはほとんどありません。ましてや宅建業は「1店舗あたり5人に1人の宅建士がいればよい」ということになっていますので、無資格でも営業担当者になれます。

不動産業者にリフォーム・リノベーションを依頼するなら、まずはその実績を尋ねてみてください。どの程度の件数をこなしてきたのか。またマンションには詳しいが一戸建ては苦手など、構造によって得意不得意が分かれます。自分が依頼する構造種別に明るいのかどうか必ず確認しましょう。

また、担当者が1級・2級・木造建築士など、建物系の資格を保有しているのが望ましいでしょう。あるいはこうした資格者がサポートについてくれていることです。

ここで注意したいのは、上記の資格保有者は必ずしも中古やリノベーションに詳しいわけではないということ。建築士系の資格は、設計や監理など主に新築を対象にしています。したがって、新築から経年して建物が劣化した際にどう扱うかといった分野には必ずしも明るいわけではありません。

そのうえで確認したいのが、担当者の「センス」。これには資格など関係なく、感性の問題、あるいはあなたとの相性の問題です。ここはやり取りの中で見極めるしかないですね。