今回は、中古住宅をより高く、早く売る方法をお知らせしましょう。

新築マンションの販売現場では、きれいに飾られた豪華なモデルルームやCG映像などを用意、来場者に対し、よりビジュアルに訴求することで販売促進につなげるのが一般的。一方で中古住宅となるとこうしたケースはまれです。ましてや売主居住中の売却物件の場合、多少の整理整頓は行われているものの、居住者の実生活をそのまま見せるような状態となっているのが一般的ですよね。

この点についてアメリカでは、物件を売却するにあたり「ホームステージャー」といった専門家がその物件価値を高めることを企図して徹底的に空間演出を行ないます。築年数によらず、また居住中であるか否かにかかわらず、どの売り出し物件も例外なく家具やインテリアをコーディネート、まさにモデルルームのようにしつらえるのが一般的です。

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※築30年超の中古住宅を演出して売り出し

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※居住中であっても室内空間を演出

大量の荷物や生活感が出てしまう物品などは、ガレージやレンタル倉庫に収納し、必要に応じて家具やカーテンなどのインテリアをレンタルし空間を演出します。こうした「ホームステージング」を行うに際しては、ターゲットとなる想定購入者の趣味や嗜好を推察し、絵やプリザーブドフラワーなども必要に応じてアクセントとして用いたりします。ホームステージングにかかる費用はケースバイケースですが数万円から数十万円。より早く高く売れるのなら必要な出費であると考えられています。

こうしたホームステージングを行った場合とそうでない場合とで、売却価格やスピードにどの程度の差が出るのかというのはよくわかっていませんが、不動産エージェントの中には、売り主がホームステージングをしない物件は担当しないとする者もいるくらいです。あちらではほとんどすべての売り出し物件がこうしたホームステージングで彩られているため、それをやらなければ相対的に見劣りしてしまいます。こうした慣習は中古住宅同士のみならず、新築物件に対しても見劣りをしないといった競争力を持つことになります。

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※築31年の空き家。新築とも遜色ない

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※庭やバルコニーも必要に応じて装飾

日本では居住中の物件を見学する場合、どうしても売主に遠慮してしまい、クローゼットや押し入れは気軽に開けづらいもの。しかしあちらではオープンルームの来場者がクローゼットを開けるのも当たり前。あらかじめ、見られてもいい衣類などを整理整頓しておき、それ以外のものは見えない所に収納しておきます。

日本においても、空き家・居住中にかかわらず、自宅を売りに出す際にはこうしたホームステージングを行うことを強くお勧めします。ホームステージングを行うことで、来場者が生活を容易にイメージできます。またステージングは良い印象を演出できますがが、人はその印象が、はたして演出から来るのか、物件そのものから来るのか判別できないものです。現在ほとんどの売り物件でこうした配慮は行われていないため、効果はてきめんだと思います。