マンションを買う人の中には、管理組合での活動を極力避けたいと思っている方も多いのではないでしょうか。特に都心部になるほど「カギ一本で管理が楽だから」とか「近所づきあいが煩わしいから」といって理由でマンションが嗜好される傾向もみられます。

マンションは所有者が好むと好まざるとに関わらず、全ての所有者が自動的に管理組合員になります。「マンションの管理は、管理会社がやってくれるもの」と漠然と思っている人もいまだに多いのですが、管理はあくまで、所有者で構成する管理組合が行うものです。管理組合が意思決定を行い、管理会社に業務委託をしているのです。

毎月の管理費を払っていれば良いのではなく、こうした意思決定について組合の運営に携わる必要があります。「お金だけ払っていればいい」としてかかわらないでいると、必要な情報は入ってこないでしょうし、所有者同士のコミュニケーションも進まないでしょう。所有者の意識は、時間がたてばたつほど、建物に如実に現れます。丁寧に管理されているところは、築後30年でも40年でも、良好な状態を保っています。

ところで管理費は、一体いくらくらいが適切なのでしょうか・「平成25年度マンション総合調査」(国土交通省)によれば、戸あたり月額1万5,257円です。ただこれはあくまでも平均額であり、全体の戸数や具体的な管理の中身、共用施設の種類や地域性にもよって異なることに注意してください。

このお話をすると驚かれることが多いのですが、さくら事務所のマンション管理組合向けのコンサル経験では、ほとんどのケースで、管理の質を下げることなく、10~30パーセントの管理費削減が実現されています。 ここで重要なのは、あくまでも「管理の質は下げずに」というところ。管理費削減そのものが目的化してしまい、いわゆる「安かろう悪かろう」の管理になってしまっては元も子もありません。

また、管理会社のリプレイス(交替)を行うことは、それはそれで各種の弊害が出る場合もあるため、できるなら管理会社は変えずに、業務内容の精査と価格交渉でコストダウンを測るのがベストです。 一方で修繕積立金は不足している、将来不足する可能性が高いマンションがほとんど。多くのケースで、大規模修繕の際には資金が足りず、所有者が別途でまとまった資金を用意するか、金融機関からの借り入れで賄わざるをえない状況となっています。修繕積立金の額は適正なのか、管理業者から勧められる大規模修繕工事は、その時期や箇所、金額という点において適切なのかといったことについて、所有者の集まりである管理組合でチェックする必要があります。

では具体的に、そんなことに留意する必要があるのでしょうか。次回コラムでお知らせします。