総務省の空き家調査(住宅・土地統計調査)は平成30年に今年行われ、31年夏に発表される見込みです。前回(25年)の発表では、全国の空き家数は820万戸、空き家率は13.5パーセントとされ、その数字に衝撃が走りましたが、おそらく来年の公表では空き家数は1000万戸越え、空き家率は15パーセントを超えていることがわかり、社会に衝撃が走るでしょう。

このような事態の原因は「人口減少」に加え、住宅総量を管理しないといった国の無策による「新築住宅の造りすぎ」によるもの。本格的な人口減少はむしろこれからで、民間シンクタンクによれば、このままいけば2033年に全国の空き家数は30パーセントを超えるといった試算もあります。「お隣のどちらかは空き家」といった時代の到来です。

ところで「空き家問題」というとこれまでは主に一戸建てをイメージしましたが、今後はマンションの空き家がクローズアップされることになるでしょう。一戸建ての空き家は、概観した様子から一目で空き家だとわかりますが、マンションはコンクリートに囲まれ、玄関ドアを開けた内側がよく見えてきません。

主に1970年代から大量供給が始まったマンション。これまでさほど所有者の入れ替えが進まなかったところでは住民も高齢化。年金暮らしの世帯も多く、必要な建物修繕費用をそうやすやすと捻出できないといった課題があります。そしてそもそも修繕積立金について、長期的な計画の下に必要な修繕積立金がたまっているケースは少なく、修繕ができない、かといって建て替えもできないといったマンションが、今後大幅に、しかも都市部に増加することが容易に予想できます。

2015年に施工された「空き家対策法」(空家等対策の推進に関する特別措置法)では、いわゆる「迷惑空き家」に指定されれば、固定資産税は6倍に跳ね上がり、最終的に自治体は建物を取り壊し、その費用を所有者に請求できるとしていますが、この法律は主に一戸建てを想定しています。マンションの場合、全100戸のうち1戸だけ壊すといったことは当然できないため、現実問題としてこの法律をそもそも適用できないのです。所有者5分の4の賛成で区分所有権を解消、敷地を一括売却できるよう2014年に改正された「マンション建て替え円滑化法」を活用するくらいしかないでしょう。しかしこれもかなり高いハードルで、実際には、この敷地を買い取ってくれるのはマンションデベロッパーなどが想定されますが「買い取った後に新築マンションを造って売れるかどうか」といった事業性を勘案することになるためです。

「中古マンション買ってリフォーム・リノベーション」というのは非常にリーズナブルで賢い選択ですが、管理組合の運営の中身次第では将来、文字通り「天地の差」になる可能性があることを理解しておいてください。こうしたアドバイスができる不動産仲介エージェントは、非常に少ないのが現状です。中古物件購入こそ、まずは誰から買うかといった「人選び」が大切です。」