前回のコラム「マイホーム、買うか買わないか⑧」の続きです。

その4 可変性が高いこと

間取りでもうひとつ注意しておきたいのが「将来に備えたリフォームのしやすさ」です。

今はご夫婦と子供2人の4人家族が住むのに快適な間取りであっても、いつか子供が独立して2人あるいは1人になった時に暮らしやすい間取りか、ということです。これは主に一戸建てについて。マンションは周囲がコンクリートで囲まれているために、内部造作を取り払って大掛かりなリフォームは容易ですが、一戸建ては、耐震性との兼ね合いがありますのでそういうわけにも行かないことが多いのです。

現在は細かく区切れている間取りも、将来は壁を取り除けば大きな一つの部屋になるなど、ライフサイクルの変化が生じた際の想像力をもって現在の間取りを考えてみることは、将来に渡る住まいの快適性という観点において非常に重要です。

前述のとおり一戸建ての場合、リフォーム・リノベーションにあたっては、耐震壁が問題になります。いくつかある壁のうち、耐震壁は耐震性の確保に欠かせないもので、基本的に取り去ることはできません。竣工図(当時の設計図)を見れば、どの壁が耐震壁として指定されているのかわかります。

可変性と耐震性を両立させるには、できるだけ建物の外壁部分に耐力壁を設置することが重要です。耐力壁が建物の中央付近に多くあると、それだけ間取りの変更が制限されます。新築設計の際、「耐力壁はできるだけ外壁部分に」と配慮された住宅は間取りを変更しやすいのです。

なお、外壁部分にバランスよく耐力壁を配置しても、エアコンの取り付け工事で耐震性が低下することがあります。これは、入居後にエアコンの配管を通す穴(スリーブ)を設ける際、壁の中の筋交いを誤って切ってしまうことが原因です。

こうしたミスが起こらないよう、エアコン用のスリーブは設計段階で位置を決めておくべきです。「木造は簡単にスリーブを開けられるから大丈夫」という業者もあるようですが、安易に壁に穴を開けることは耐震性のみならず、断熱性、気密性、防水性などの低下も招きかねず問題です。

安全・快適で、長持ちする家を建てるためにはまず、信頼できる不動産仲介担当や建築士を探すことが重要です。見た目や設備の豪華さなどにお金をかけ、本来重要な建物の質にこだわらないのは、ロングスパンでとらえるとデメリットが大きいでしょう。建物の本質的な部分をよく理解し、性能をあげていけるだけの知識がある相手を選びたいものです。