1月4日から「中古住宅選び」は「エージェント選び」へ

2016年1月4日から、中古住宅選びは「物件探し」から「エージェント探し」になります。
というのも、この業界に大きな制度変更があるからです。これまでは、売り主担当の不動産仲介業者が物件情報を囲い込み、売り手・買い手双方からの手数料取得を目論むといったことが横行していました。

特に名だたる大手を中心に展開されていたこのような慣行は「世間の非常識」であり、業界内では以前から非難の声が挙がっていましたが。ここに来てようやく制度が変更され、こうしたことができなくなります。

具体的には、売り主が、自分の物件の状態がどのような状態であるか確認できる(ステイタス管理)というもので、インターネットで自分の物件情報にアクセスすると「公開(募集)中」「購入申し込みあり」「紹介を停止中」といったフラグが確認できるのです。

以下少し長くなりますが、12月21日付日経新聞のトップ記事を引用します。

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国土交通省は中古住宅市場の活性化に向けて、取引の透明性を高める。物件情報をやりとりする業者向けのシステムで詳細な取引情報を開示するよう義務付け、虚偽には罰則も適用する。売却依頼を受けた業者による物件の囲い込みを防ぎ、売買を促す。~中略~

日本で中古住宅の売買は取引全体の約1割にとどまる。米英の約9割に劣り、中古住宅の評価が低い一因となっている。国交省は売買てこ入れには情報開示が不可欠と判断。全国の不動産会社が物件情報を登録するシステムの開示事項を1月から拡充する。システムを運営する公益財団法人・東日本不動産流通機構などに内規見直しを求めており、近く認可する。

宅地建物取引業法は、不動産の売却仲介を1業者のみに任せる場合、依頼者が不利な取引を強いられないよう物件情報を同システムに登録するよう義務付けている。ただシステムへの登録情報は所在地や価格に限られ物件の取引状況は分からない。そこで「公開(募集)中」「購入申し込みあり」「紹介を停止中」の表示を求める。中古住宅の売り手自身が取引の現状をネット上で確認できる仕組みも設ける。

見直しは一部業者の物件囲い込みが指摘されているためだ。売却の依頼を受けた業者が物件をシステムに登録しながら問い合わせが来ると「商談中」などと偽り取引を拒否。その間に自ら買い手を探し、売り手と買い手から仲介手数料を二重取りしているとされる。国交省は「客観的な証拠が得にくく摘発できない」(幹部)ものの、是正策をとる必要があると判断した。開示情報を偽った業者は、運営主体の公益財団法人などが是正勧告や業者名の公開といった処分も検討する。

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「こうした措置をとっても、囲い込みはなくならない」といった声も業界にはあります。しかしバレれば処分対象で、是正勧告や業者名公開などが検討されています。耐震偽装事件や地盤データ改ざんなど、この業界ではしばしば重大なコンプライアンス違反が指摘されますが、こうしたことが明るみに出ればその企業や個人は大きく評判を落とすことになるでしょうから、1月4日以降も堂々と囲い込みができるとは考えにくいところです。米国では物件情報の囲い込みがバレると多額の罰金、度重なれば免許剥奪です。

さてこうなってくると、これまで中古住宅探しは、まず物件情報の検索からのスタートでしたが、それより先に「自分にあったエージェント選び」が優先されます。どのエージェントも、持っている物件情報は同じだからです。これまでしばしばユーザーから聞かれた「物件は気に入っているが担当者が気に入らない」といった不満は相当程度なくなりそうです。
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自分との相性やスキル、考え方、信頼性など、エージェントの質を見極めることが非常に重要になります。ほどなく、アマゾンのブックレビューのように不動産エージェントを評価するサイトなどが登場するでしょう。あるいは、すでに中古住宅を購入した人からの紹介といったルートも重要になりそうです。

こうした制度はまず東日本・中部で導入、その後順次全国へ拡大される見通しです。