• 手狭になったマンションを売却して広い戸建に住み替えたい。でもマンションは住宅ローンを支払い中。どうしたらうまく住み替えることができるでしょうか?住宅ローンがないまっさらな状態からの家探しより、住み替えは少し複雑になります。が、ポイントをしっかりと押さえておけば大丈夫です。

    リノベーションが得意な中古住宅専門の不動産会社、株式会社しあわせな家の不動産担当の渡辺です。

    さて今回は持ち家の現住まいを売って新しい物件を購入する「住み替え」についてです。まず、住み替えには4つの「型」があることを知りましょう。

    1.型その①「売り買い切り離し型」

    例えば、年収700万円の方の場合で考えてみます。この方が本気になると(銀行にもよりますが)6000万円くらい住宅ローンを組むことができます。今現在のマンションの方のローンは3000万円残っているとします。そうすると、あと住宅ローンを組むことができる余力は6000-3000=3000万円となります。次に購入する住まいで住宅ローン3000万円+自己資金で購入すればOKということになります。購入して引っ越してそれからマンションを売却すればいいわけです。

    「切り離し型」のメリットは、購入する物件もじっくり探すことができますし、売却も焦って売る必要がありません。デメリットは売却が済むまでの間数か月は住み替え先とマンションとの住宅ローン2重払い(この例ですと毎月17万円前後)になるということです。

     

    2.型その2「先に購入型」

    「切り離し型」以外は何らかの形でマンションを売却して住み替え先の購入前に(厳密には同時にですが詳細割愛します)残債を消す必要があります。例えば住宅ローンを組む力は4000万円まででマンションの残債が3000万円とします。

    次に購入する住み替え先の物件も4000万円くらいローンを組むとします。マンションの残債と住み替え先のローンを合計すると7000万円になり、4000万円という、おのれの力の上限を超えてしまっています。このような場合は「残債を消して4000万円借りることができる力をリセットしないと住み替え先が買えない」ということになります。

    ではどうするか?まずは先に住み替え先の物件を探します。お目当ての物件が見つかって契約したところでマンションの売却活動を開始します。メリットは住み替え先の物件探しはじっくりとできる=気に入った物件を購入できることです。デメリットは売却する方は希望の価格より低くなってしまうことも覚悟する必要があることです。

    例えば購入する方を契約して物件の引渡しを受けるのが3か月後だとします。この3か月後までに①マンションの買い手が決まり②マンションの買い手の住宅ローンも承認になり③マンションを引き渡してマンションの方のローンをゼロにリセットしなければいけません。単に買い手が見つかるまで=①までであれば3か月は標準的かもしれませんが、引き渡しまでしなければいけないとなると意外と時間がないものです。

    ですから、3か月の期限が迫ってきたときにはある程度市場より「値ごろ感」を持たせて早く売ることを優先しなければいけなくなる可能性があるということです。

     

    3.型その3「先に売却型」

    先にマンションの売却活動を開始します。マンションの買い手が見つかって契約したところで住み替え先の物件探しをします。メリットは、売却活動はじっくりとできるので相場か、もしかしたら相場+αくらいで売ることができるかもしれません。デメリットは、先に売る契約をしているので期日までに引き渡さなければいけません。

    例えばマンションの売却の契約の日から3か月後に引き渡しをするという場合、この3か月で①住み替え先を探し②住宅ローンを通して③住み替え先に引っ越す必要があるわけです。つまり「先に購入型」と真逆になるわけですが、3か月で探して引っ越すというのは意外とタイトですし、気に入ったものがないとしてもとにかくマンションからは出て行かなければいけないのです。

     

    4.「待ってもらえばいいじゃん?」

    って思った方!お気持ちはわかりますが不動産売買はそう単純には行きません。「先に購入型」の場合で考えてみましょう。住み替え先を契約したはいいものの、マンションがなかなか売れない・・・3か月が迫ってきた・・・住み替え先の売主さんに「1か月、引渡し=お金の支払いを延ばしてもらえませんか?」とお願いしたとしましょう。

    特段急ぐ事情のない、すごくいい人であれば応じてくれるかもしれません。しかし、契約は契約であり、契約時点の条件をお互いに守る、それが契約なのであります。

    売主さんだって3か月という期限をあてにする事情があるかもしれません。例えば、そのお金を何か他のことに使おうとしているかもしれません。3か月後にちゃんとお金が入ってこないと困る何かがあるわけです。

    また、もしかしたら売主さんが不動産業者さんだった場合。業者さんも通常ローンを借りて物件を仕入れて売りに出しています。業者さんローンは一般の人のローンより金利が高いです。なので、引き渡しが延びれば延びるほど金利の払いも多くなる=経費がかさむ=利益が少なくなるわけですので、「待ってくれない?」と言われても困るわけです。

    もっと言ってしまえば、このマンションの買主さん別の物件を売って住み替えをしようとしてるのかもしれません!そうしたら期限は守ってもらわないと困る!というのはもっともすぎます。

    逆の「先に売却型」でも同じで、売る契約をしたはいいもののなかなか良い住み替え先が見つからない・・・3か月が迫ってきた・・・マンションの買主さんに「1か月、待ってくれませんか?」とお願いしてみました。

    急ぐ事情のない、いい人なら待ってもらえるかもしれません。でも、もしその買主さん、3か月後に今住んでいる賃貸を出ていく申し出を大家さんにしてしまっていて、大家さんは次に住む人を募集してそれももう決まってしまった・・・!なんて場合、困りますよね。住むとこなくなっちゃいます。

    ということで、契約は原則でありますので、それをきちんと守る前提で最初に組み立てをしなければいけないのです。

     

    5.「じゃあ、引渡しまでの期間を長く取ればいいじゃん?」

    って思った方!お気持ちはわかりますがそうはいきません。仮に自分がこのマンションを内覧して検討している人だとしましょう。「なかなかいい部屋!気に入った!自分の物になるのは・・・早くても半年後?」となるわけです。

    中には引渡しが半年後・一年後となっている物件がないわけではないです。が、やはりちょっと長いですよね。「そんな先かー、じゃあとりあえず保留~」ということで物件そのものは気に入ってもらってもなかなか決まりづらくなるものです。

     

    6.型その4「混ぜる型」

    「先に購入」と「先に売却」のいいとこ取りをしようというのがこの「混ぜる型」です。住み替え先を探し、気に入った物件が見つかったところで売却活動を開始します。気に入った物件の契約はしません。で、気に入った住み替え先物件がほかの誰かに売れちゃわないうちはマンションの売却活動をするのです。

    お目当ての住み替え先が売れちゃったらマンションの売却も一時中断=引っ込めちゃうわけです。メリットは購入・売却両方希望に近い形で着地できること。デメリットはこの住み替え計画が長期化する可能性があるということです。

     

    7.まとめ

    いかがでしょうか?残債があっても住み替えはできますし、実際にしている人もたくさんいます。ただ少し複雑ですので、一緒に売って買ってをタイミングよくやってくれるパートナーの存在が欠かせません。

    また、住み替えの4つ型に共通して言えるのは「資金計画的な無理をしないこと」です。売ってもマイナスが出る場合にその穴埋めをしてくれる「住み替えローン」というものもあるので、住み替え自体はしやすい仕組みがあるのですが要はお金をたくさん借りることでもあります。「できる」と「やってもいい」は別物と心得ておきましょう!

    次回は住み替えにまつわる住宅ローンについて、もう少し掘り下げてみましょう。

    渡辺 夏男のブログ

    私がしあわせな家に入社した当初は異端視されていた弊社の取り組みが今、業界内でも認知されてくるようになりました。「3年後には住生活業界のスタンダードになっていて欲しい」という想いで綴ります。

    中古住宅選びで成功する為に絶対必要な5つの知識