• 管理とは、なんと地味な仕事なんでしょう。
    と思っていらっしゃる方、多いです。
    私も実際に携わるまではそう思ってました。
    で、携わったら、やっぱり地味でした。
    が、地味な分だけ奥も深いのです。

    不動産管理には大きく分けて2つ。
    居住用のアパート・マンション管理と、事務所・店舗のビル管理です。
    この2つは「似て非なるもの」。
    私は双方経験してますが、その特性はだいぶ異なります。

    どちらもオーナーの代行ということに変わりはないのですが、
    ざっくり言うと、アパート・マンション管理は居住者に関わるソフト的な業務が、
    ビル管理は多種多様な設備に関わるハード的な業務がそれぞれ大きな比重を占めるものと思われます。
    もちろん、前者でも消防設備等の点検などハード的な業務はありますし、後者でもテナント対応などソフト的な業務はあります。

    さて、そんな2つの業務をこなすに当たって、共通する1つの重要なキーワードがあります。

    「経験」

    私が個人的に感じたことですが、管理業務は20代~30代前半くらいの若手にはなかなか務まりにくいのかな、ということ。

    まずソフト的な部分では、苦情など人の感情に伴うデリケートな局面が多いことから、それなりに数多くの人と接してきた「経験」が欠かせません。
    例えば、騒音トラブルなど、人と人との間に入らなければいけないケースも多々あります。
    そんな時は、状況をよく聴き取ったうえで、双方の気持ちを一生懸命考え、過去の数多の経験に照らし、納得出来るであろうラインを探すのです。
    また、丸く収めるために、少し盛った話をする場合もあります。
    それによって、双方がちょっとでも気持ちよくなればいいんです。
    これも過去の経験を活かすのです。
    知識だけではなかなか埋まりません。
    さらに、若いというだけで、兎角舐められたり、侮られたり、頼りなく思われたりします。
    でもそれは仕方がないんです。
    私もそうでしたから。

    次にハード的な部分では、建物や設備の不具合に対する迅速かつ的確な対処が出来るかどうか。
    これも数多くの「経験」が欠かせません。
    スペシャリストになると、ほんの些細な違和感から不具合箇所を見つけることが出来るのです。
    気付かずに放っておくと、大事になってしまうこともあります。
    漏水などはその典型ですね。
    私もだいぶ勉強しましたが、何十年も経験してきた人にはまだまだかないません。

    管理のお仕事。
    地味ですが、縁の下の力もち的な仕事です。
    華やかさは微塵もありません。

    大きな括りで言うと「仕事」とは2種類に分けられます。
    民間と役所。
    営業と管理。
    花形はやはり民間の中の営業的な仕事ですね。
    数字を出せば会社には喜ばれ、周りの社員からは褒められます。
    すると、モチベーションが上がります。
    若手はそういう仕事を夢を持ってどんどんやるべきだと思います。

    前に勤めていたビル管理会社に数人の新人が入ってきました。
    その時率直にこう思いました。

    「彼らはなんて夢のない奴らなんだろうか」

    今となっては単なる偏見だったと思いますが。
    ほかの職種で採用されず、仕様がなくて来たのかもしれません。
    本当に機械が好きで設備のプロフェッショナルを目指しているのかもしれません。
    また、人と接するのが苦手なのかもしれませんよね。
    事情があるなら仕方ありませんが、それでも若手が夢を持ってやる仕事とはとても思えませんでした。
    実際、いきなりの苦情対応などは正直キツイと思います。
    上手くやってもあまり褒められませんし。。。
    やって当たり前の仕事ですから。
    事情もなく入ってきてしまった若手は、すぐにへこたれるかもしれません。

    管理のお仕事。
    地味ですが、プライドの持てる、会社にとっても大変重要な役割を果たしています。

    極端な話、営業は仕事を取ってきたらそれで終わりですが、管理の場合はお客様との一生のお付き合いとなります。
    「一生」とはどういうことでしょうか。
    会社にとって一生収入をもたらす、ということです。
    1件1件は少ない額です。
    月々も決して大きい額ではありません。
    が、塵も積もれば山となります。
    そこで大事なのはお客様との信頼関係をずっと維持し続ける、ということです。
    何と言っても「一生」ですから。
    生半可な気持ちではいけません。
    仕事とはそもそも厳しいものですが、それ以上の「覚悟」が必要です。
    大げさではありません。
    そんな困難な仕事を毎日しっかりこなせていけたなら、自然とプライドが芽生えるのではないでしょうか。

    さて、最後に全国の「管理マン」にエールを送ります。

    どうせ花形じゃないから、褒めてもらえないから、と自虐的にならなくても、
    地味だ地味だ、と言われ続けたっていいんです。
    自分の中で、「オーナー様やお客様のため、会社のために困難かつ重要な仕事をやってるんだ!」とプライドさえ持ち続けていれば、それでいいんです。

    それが、「管理のお仕事」なんですから。

    佐藤 勝也のブログ

    うっかりして気付かず見落としてしまうことを、よく「盲点」と表現します。そして盲点は、よくよく考えれば実は他愛もないことが多いのですが、見つけ難く気付かないままの盲点もあります。そんな様々な盲点に光を当て、困ってるオーナー様の一助になれば幸いです。