• 全国の消費生活センターに寄せられる相談・苦情には写真の表の通り‘’衝撃的”な結果になっています。
    アダルトサイトや健康食品、サラ金などの常連に「賃貸住宅部門」が堂々と肩を並べております。
    順位的には2013年度はその前年と比べ2ポイント下げていますが、件数的にはほとんど変わっていません。
    さて、では実際にどんなトラブルが多いのでしょうか。

    平成23年に不動産適正取引推進機構が管理会社を対象に実施した実態調査によると、

    1位 家賃滞納 625P
    2位 騒音 373P
    3位 原状回復・敷金精算 338P
    4位 ゴミ出し 310P
    5位 違法駐輪・駐車 304P
    6位 給湯 156P
    7位 エアコン 135P
    8位 水道濁水・異臭 112P
    9位 トイレ詰り・異臭 95P
    10位 家賃見直し 78P

    「家賃滞納」
    圧倒的な1位です。

    ところが、です。
    このデータは管理会社のアンケートより得たもの。
    あくまでも管理会社目線なのです。
    これが、消費生活センターに寄せられた相談では少し様相が異なります。
    消費者なので、いわゆる入居者目線になります。
    以下に国民生活センターのHPより一例を示します。

    「兄が賃貸アパートの家賃を滞納したまま、行方が分からなくなった。緊急連絡先である母の元へ、保証会社から執拗に電話がかかる。対処方法を知りたい。」

    「年金生活の母が借家の家賃を3か月分滞納したところ、大家が来てテレビや石油ストーブ等家財道具を運び出したという。母の生活事情を考慮してほしかった。今後どう対応したらよいか。」

    「5年前、賃貸アパートに知人が入居する際に保証人になった。契約更新の連絡もなく、保証人でなくなったという認識でいた。最近、大家から知人が行方不明なので滞納家賃等支払うよう請求されたが、納得できない。」

    「自分は生活保護受給者で賃貸アパートに住んでいる。3カ月分の家賃を滞納してしまい保証会社から請求を受けているが、支払えない。退去しなければならないだろうか。」

    「保証会社に、賃貸アパートの家賃の払いが遅れると伝え了承を得た。しかし遅れたら、脅すような伝言が入っていた。やり方に納得できない。」

    「1カ月分の賃貸アパートの家賃を滞納している。今朝保証会社に一部を振り込み、今週中に残りも支払えると伝えたが、連帯保証人に連絡するという。しかたないものだろうか。」

    「賃貸アパートの家賃を滞納した時の保証会社の取立てが厳しすぎる。振り込んだ後にも電話が入る。どうしたらよいか。」

    どう思いますか?

    管理会社目線だと、
    「滞納家賃を督促しても払ってくれない」
    「督促したいが連絡がつかない」
    「毎月決まって遅れる人がいる」
    「保証人と連絡がつかない」
    が業務的にほとんどのケースと思われます。

    それに比べ入居者目線だと全く別な内容になっていませんか?
    「強引」「有無を言わさず」「事情を考慮しない」など、交渉の余地すらない殺伐とした印象ですね。
    もちろん、滞納そのものは褒められたことではありません。
    でも、どうしても払えない事情のある人もいっぱいいるはずです。

    そして、管理会社の文字が全く見当たりません。
    これは、管理会社の手を離れた後か、もしくは最初から管理会社が関与していないものと思われます。
    入居者と一番接する機会の多い管理会社が登場しないのです。
    ちょっとでも事情を把握している、入居者のことを最も知りうる立場にある管理会社が間に入っていれば、対応の仕方も変わってくると思いませんか。
    もっとソフトランディング的に解決できると思いませんか。

    入居者・保証人・オーナーと協議をし、解決の道を模索し、道筋をつけたら各人と調整します。
    管理会社なら上手に出来るはずです。
    それが出来れば、関係者全員の信頼関係は保たれ、かつ、皆がハッピーですよね。

    ではなぜ重要なキーマンである管理会社が関与しないのでしょうか?

    業務の効率化。

    その一言に尽きます。

    今は連帯保証人の代わりに保証会社を利用するケースが多く、管理会社によっては「必須」としているところもあります。
    その保証会社が滞納家賃を立て替え、督促から回収までをやってくれます。
    そうなると、1回の督促の電話もしない管理会社もあるかもしれません。
    どっちにしろ後で保証会社がやってくれるわけですから。

    本来、督促は基幹業務の一部であるはずなのに、その重要な業務を丸投げしてしまってるのです。
    確かに手間の掛かる業務ではあり、効率は良くありません。
    しかし、その手間が大事なんです。
    見方を変えれば、チャンスですよ。
    あまり接する機会のない入居者と話せます。
    何を考えているか分かります。
    丁寧に対応すれば、以後何かの時に協力してくれます。
    また、今後、同様の事例にもスムーズに対処出来ます。

    それにしても、業務の効率化にかこつけて丸投げしてもいいものでしょうか。
    物件が多ければ忙しいのも分かりますが・・・。

    さて、入居者目線の相談にいっぱい登場したのは「保証会社」でした。
    彼らには監督する行政機関がありません。
    開業するのに許可や届出は不要なのです。

    参考までに、以前こんな記事を書きました。
    「保証会社の困った話」

    彼らは雨後の竹の子のようにどんどん増えるので、競争が熾烈なんです。
    競争に勝つため、管理会社から切られないようにするため、実績作りに躍起になるのです。
    すると、たった1ヶ月滞納しただけで、かつ、支払う意思のある入居者に対しても、事情を聴くこともなく厳しい取立てを実施してしまうのです。
    必然です。

    改めて前述のトラブルベスト10を見てみましょう。
    1位以外も頭の痛くなることばかりです。
    11位以下では、2位の騒音に代表される「マナー違反」も多く見られます。
    さらに、これからは人口減による空室対策も必要です。
    もう、なかなか大家さんの自主管理だけで対応できる時代ではありません。
    プロに任せてください。
    私の言うプロとは「関係者のために手間を惜しまない管理会社」です。

    管理料を支払った以上の価値はあるはずですから。

    佐藤 勝也のブログ

    うっかりして気付かず見落としてしまうことを、よく「盲点」と表現します。そして盲点は、よくよく考えれば実は他愛もないことが多いのですが、見つけ難く気付かないままの盲点もあります。そんな様々な盲点に光を当て、困ってるオーナー様の一助になれば幸いです。