リノベーションが得意な中古住宅専門の不動産会社、
株式会社しあわせな家、賃貸管理部の佐藤です。
一般的にお部屋を借りた後必ずやって来るのが、2年に1回の契約更新手続き。
別に契約条件が変わらなければ、自動更新でも良さそうなものだが、なぜ手間をかけてまでやる必要があるのか?
まぁ更新料がいただけるという側面もあろうが、契約更新手続きはあまり会う機会のない入居者と接するチャンスだ。
郵送によるやり取りだけでもいい。
そこでの更新書類によって、判明することがいくつかある。
まず、入居者本人に関する最新情報。
携帯番号の変更も大事だが、勤務先の変更も重要である。
給料の詳細まで記載させることはないが、明らかに以前より「格下」の企業に転職している場合は要注意だ。
滞納したり、近々に退去される可能性があるからだ。
次に連帯保証人に関する最新情報。
本人同様、勤務先の変更に注意が必要だ。
なお、連帯保証人そのものが変わっている場合は、更新手続きというよりは、契約条項の問題となる。
一般に賃貸借契約書には連帯保証人を変更する際は貸主の承諾が必要、とされている。
以上は最低限判明することだが、入居者や保証人の勤務先が変わったからといって、改めて家賃支払いの担保を見直すことはまずない。
とりあえず、家賃の滞納がなければ静観するのみである。
ただ、何かの時に事前に事情を知っておけば、冷静な対応が出来る、ということはある。
また、更新手続きを主導するオーナーさんや管理会社はもう一歩踏み込みたい。
郵送のやり取りだけではなく、電話やメールでもいいので、会話をしたい。
「住んでて困っていることはないか」
「これがあると便利だと思うものは何かないか」
など、いわゆる要望のあぶり出しが自然に出来る。
「実は上の階がうるさくて困ってます。ずっと我慢してました。何とかして下さい!」
などと、寝た子を起こすことにもなり兼ねない、わざわざそんな余計な会話はしたくない、
といった意見もあろう。
まぁ、気持ちは分からないでもないが、少しの手間や少額で出来ることならすぐ対処したいし、そうでない場合でも検討くらいはしてあげて、入居者に誠意を示したい。
実はこれが後から効いてくる。
もちろん長く住んでもらいたいこともあるが、後々何かしらトラブルが発生した場合スムーズに事が運びやすい。
「前に良くしてもらったから、ちょっと協力してあげよう」
「今回のトラブルは自分もちょっと我慢しよう」
とか、もちろんケースバイケースだが、そういう風に思うのが人情である。
ただし、それを計算した誠意は、相手に見透かされるので御法度だ。
そういうのは、態度や言葉の端々に見え隠れするものであり、妙な火種を残しかねない。
ここは、あくまでも誠実な対応を心掛けたい。
さて、ここまでは更新の必要性を語ったが、ふと気付いたことがある。
なぜ、銀行や保証会社は契約途中で前述のような確認をしないのか?
むしろ、彼らの方こそそれをする必要性が高いのではないか?
いや、きっと大丈夫だ。
双方とも保証料(保険でいうところの保険料に近いが保険と違い、払えないからといってチャラにはならない)を事前にもらっているし、銀行に至っては保証協会が立て替えるし、不動産も担保に取ってある。
本人が転職して収入が減ろうが、会社をクビになろうが、取りっぱぐれはない。
だから35年なんて人生の半分が住宅ローンの奴隷になるような無謀な期間で契約しても、その間1度として転職したか否かなど問われることはないし、
そもそも払ってくれさえすればよく、払えなければ家を取るだけの話であるから、問う必要など全くないのである。
銀行はバブル崩壊から30年近くも経つのに、相変わらず人的審査よりも物的審査に重きを置く。
今更変えるのが面倒なのか、楽だから変えないのかは知らないが、
だから、新規事業やベンチャー企業などに思い切った融資が出来ず、銀行本来の審査能力がダメな・・・、
おっとっと、ついつい話がそれてしまった。。。
そんな話はどうでもよかった。
マズいマズい・・・。