リノベーションが得意な中古住宅専門の不動産会社、
株式会社しあわせな家、賃貸管理部の佐藤です。
何日か前の新聞にアメリカで「家賃オークション」なるものが登場したという記事を見た。
日本でもチラホラと出始めているようだが、一体どんなものなのか。
貸主は希望家賃を登録し、入札により借主を決定するというもの。
いわゆる「ネットオークション」と何ら大差は無い。
札を入れる借り手側は、事前に家賃支払い能力の根拠を登録するらしい。
で、時間内に最大値の札を入れた人が落札者となる。
その時点で契約が成立するのか、貸主に選択の余地が与えられるのかは不明。
とは言え、効率的なネットシステムの先進国であるアメリカ。
もしかしたら、落札時点でお互い契約に必要な全ての情報が閲覧でき、カード決済と電子署名によりものの数分で完結するのかもしれない。
日本だと仲介業者が介在した場合、借主に対する重要事項説明があり、本人審査や連帯保証人審査があり、火災保険の申し込みがあり、等々何かと煩わしい。
なので、日本の場合は契約ではなく、決定前の入居申し込みの段階が限界と思われる。
さて、アメリカでこの家賃オークションが登場した背景には持ち家率の低下があるらしい。
結果、それと対照的に賃貸需要が高まったとのこと。
空室率が上がり続ける日本ではどうだろう。
普及するだろうか?
「落札者なし」だらけ?
また、同紙面には、まだレオパレスなど極一部しか実施していない賃貸借契約の電子化を、大手各社が本格的にシステム化に取り組んでいる、という記事もあった。
現状では未だ面前にて重要事項説明書と契約書に署名捺印をもらう。
それがインターネットによる電子署名で済むというもの。
ただし、重要事項説明は面前で説明を受ける必要があるが、テレビ電話やスカイプなどで済ますことも可能。
要するに、不動産屋さんに出向かなくてもインターネット環境さえあればお部屋を借りることが出来る。
そのうち、面前による重要事項説明も不要になるかもしれない。
今やお部屋の内見も現地に行かずともVR(バーチャルリアルティー)で出来る。
すると、外にも出ず、誰にも会わず、誰とも話さずに部屋が借りられる、ということになる。
それが一般的になる時代がもうじき来そうだ。
どんな人間が住んでいるか分からない。
私など、不安でしょうがない。
管理会社はどうするべきか。
オーナーと入居者を安心させるという使命がある。
それを真っ当出来るだろうか?
収入や社会的地位に問題が無ければいい、と皆は考えるのかもしれない。
でも、人柄は?雰囲気は?性格は?
メールの文面だけで判断しないといけないのだろうか。
効率重視もほどほどに。
音楽の世界でもレコードやラジカセなどの「アナログ」が見直されているし。
やはりお部屋探しは
現地で内見し、担当者と会って、電話で段取りを決め、そして自身で署名捺印する。
うん、アナログに限る。