• リノベーションが得意な中古住宅専門の不動産会社、
    株式会社しあわせな家、賃貸管理部の佐藤です。

    ドタキャン。
    契約前夜のお断りの電話やメールはホント困っちゃいますよね。
    特に不動産の場合、その取引に関わるのは当事者だけではありません。
    時に数多の関係者が関わることもあります。

    もちろん、契約する、しないは自由ですし、こちらから強制出来るものではありません。
    が、しかし、とは言っても、
    購入のための資料をたくさん準備し、
    物件をいくつも内見し、
    リフォーム会社から見積りも取って、
    銀行での資金繰りの相談にも同席し、
    共に検討に検討を重ねた末に契約日も決まり、
    ホッとしたのもつかの間、
    長い時間付き合った挙句、
    契約前夜に、

    「やっぱりやめます」

    は、やっぱりキツいです。
    マジキツいです。
    裏切られた感、満載です。
    人間不審になります。
    営業マンだって生身の人間ですから。

    といった体験は長年セールスをしている方であれば、1度や2度くらいはあるのではないでしょうか。
    ここまで読んで、思わずフラッシュバックしませんでしたか?(^_^;)

    さて、ではいったいどんな人種がこんな酷い仕打ちをするのでしょうか?

    ワンルーム屋のベテラン売り子ともそんな話をしましたが、私と認識は一致してました。
     ※「ワンルーム屋」とは新築の投資用ワンルーム分譲マンションを販売する会社で、業界では多少の蔑視を込めてそう呼ぶ

    その人種の多くは、「30~40代の単身者」。
    そして、決まって「いい人」。
    では、そのシチュエーションを順を追ってみましょう。

    45歳、独身のK夫さんは、ネットで気になった中古物件を見つけ、Sハウスに問い合わせた。
    担当のT川さんは早速現地を案内した。

    T川「いかがですか? 静かで住環境がいいですよ。近くには公園や河原があり、休日はのんびりお散歩出来ます。建物も築が浅く綺麗ですよね」
    K夫「はい・・・、そうですね。なかなかいいと思います。でも駅がもっと近いと良かったかな・・・」
    T川「そうですか。では駅に近い物件もご紹介します。同じくらいの金額でいくつか見繕いますので比較してみましょう」

    その後、何週かに渡り、いくつかの物件を見る。
    そしてK夫さんは駅近のある物件に興味を抱いた。
    8件目に内見した物件だった。

    K夫「この物件の雰囲気がいい感じと思います。駅も近いし。ただちょっと古いですかね・・・」
    T川「この物件だと予算に少し余裕がありますので、リフォームが可能です。価格交渉してもっと下がれば、間取り変更などのリノベーションも出来ますよ」
    K夫「あっ、そうなんですか・・・。出来たらそうしたいです」
    T川「では後日一緒にリフォームのプランを考えましょう」
    K夫「あと購入時のローンのことや、その後の支払いとか心配です」
    T川「大丈夫です。年収など必要な情報を頂ければ事前に銀行に打診します」
    K夫「えっ、あ、はい・・・」

    後日、リフォームのプランも完成し、見積書も上がってきた。
    総予算もおおよそ固まり、借り入れも問題なさそう。
    そして、購入申込書に値引きした金額を記入し、売主サイドに提出。
    何度かのやり取りの末、金額がまとまり、契約の日程も決まった。

    T川「K夫さん、良かったですね。もうここまで来れば大丈夫です。では契約当日よろしくお願いします」
    K夫「あ、はい・・・、T川さんのお陰です。こちらこそ、よろしくお願いいたします・・・」

    普通はここまで来れば何ら問題はない。
    T川さんも100%契約するつもりでいる。
    信頼関係も出来ているし、誰が見ても疑う余地はないはずだった。

    ところが、実はK夫さんはリフォームのプランあたりから、どんどん展開が進むことに漠然とした不安を感じ始めていた。
    「このまま進めちゃっていいのかな・・・」
    ずっと独身だったK夫さんは、身近に親身になって相談する相手がなく、何となくT川さんのペースに乗っかってしまった形で物事が進む。
    本当に買うべきかどうか、立ち止まって考えることを、ついつい後回しにしてしまう。
    そうしたいのはヤマヤマだが、
    「そこまでやってくれたT川さんに悪い」
    「ちょっと少し考えたい、と今さら言えない」
    「そんなこと言ったらT川さんの気分を損ねるんではないか」

    との思いがブレーキとなり、結局言えずじまい。勇気が出ない。
    「でもやっぱりこのまま突き進むのは怖い」

    そして契約前夜、悶々と悩んだ挙句、後のなくなったK夫さんは意を決して携帯を握り締めた・・・。

    以上がありがちなドタキャンのシチュエーションです。
    対人関係で自分の気持ちよりも、勝手に想像した相手の気持ちを最優先するタイプの典型です。
    いい人であることは間違いないんですが、前述のような状況の場合は大迷惑です。
    結果的にT川さんはたくさんの関係者に頭を下げることになります。
    T川さんからすれば、長い時間、単に振り回されただけ。
    もう少し早くK夫さんが自己主張してくれれば、展開が違ってたかもしれないのに。
    K夫さんの気持ちも分かるけど、徒労感や裏切られた感のほうが勝ってしまいます。
    そうなると、もうお互いに気まずくなるだけです。

    土壇場キャンセル、ドタキャン。
    いつからそんな言葉が生まれたのでしょうか。

    いいんですよ。
    途中、言いづらいことがあれば、勇気を持って早めに聞かせて下さい。
    大丈夫、相手の気分を損ねることはありません。
    お客様が悩んだ末に出した答えですから。
    また前に進むために共に考えればいいんです。
    少なくとも、うちのスタッフは皆そういうスタンスです(^-^)

    佐藤 勝也のブログ

    うっかりして気付かず見落としてしまうことを、よく「盲点」と表現します。そして盲点は、よくよく考えれば実は他愛もないことが多いのですが、見つけ難く気付かないままの盲点もあります。そんな様々な盲点に光を当て、困ってるオーナー様の一助になれば幸いです。