「ルーキー」マンションと「ベテラン」マンション

2012年。今年は新築マンションが多く建ちます。そうなると新築にするか?それとも中古を買ってリフォームするか?迷う人が多くなるでしょう。そんな皆様にアドバイスを!と思いこのコラムを書くことにしました。

まず、世間一般、99.9%の人はこう考えています。

新築マンション>中古マンション

誰が決めたのか?日本ではこれが当たり前です。
言葉の中に「新しい」と「古い」という文字が入っているので、この2文字を比較するとやはり「新」の方が良く感じてしまうのは仕方ありません。

しかし、本当に新築マンションは中古マンションに勝るのでしょうか?
海外に行くと、日本とは逆で中古の方に価値があるという国もたくさんあります。
そこで、この日本の常識をいったんリセットして、比較検討をしてみようと思います。
 

呼び方を変更します

まず始めに、「新築」「中古」という呼び方を止めてみます。
私は野球好きなので、ここではプロ野球選手に習って呼び方を代えることにします。

新築マンション=ルーキーマンション
中古マンション=ベテランマンション

次に、プロ野球のGM(ゼネラルマネージャー)になったつもりで、選手の獲得を真剣に考えてみます。
ルーキーを獲得するか?ベテランを獲得するか?

【ルーキー】

 メリット             デメリット
・年俸が安い           ・活躍するかどうかは未知数
・将来への期待がある       ・人間性が?
 

【ベテラン】

 メリット             デメリット
・力量がわかっているので安心   ・年俸が高く、活躍に応じてさらに高くなる
・人間性もわかっているので安心  ・年々、故障の可能性が高くなる

違いはハッキリしています。チームの台所事情を考えれば答えは明らかでしょう。

 

マンションに置き換えると

話を元に戻します。
選手の獲得をマンション購入に置き換えて考えてみてください。

【ルーキーマンション】

 メリット              デメリット
・何もかもが新しい         ・実物を見ないで購入するので不安
・将来価値が上がるかもしれない   ・高い
                  ・ご近所にどんな人が住むのかわからない
                  ・将来価値が下がるかもしれない

【ベテランマンション】

 メリット               デメリット 
・実物を見て購入するので安心     ・設備など、故障の可能性が高くなる
・ご近所や管理の状態もある程度わかる ・人が使った物を受け継ぐ
・安い
・分譲後の価格の推移がわかる
 

選手の獲得と非常に似ていますね。ただ、最大の違いがひとつあります。
それが、価格=年俸です。
マンションの場合、ルーキーは高くベテランは安いですが、プロ野球選手の場合は逆です。

「何もかもが新しい」「人が使った物を受け継ぐ」という点にスポットライトを当てると、確かにその通りかもしれません。では「人が使った物=設備」とは、マンションの価格の内、どれ位を占めるのでしょうか?

 

私が考える査定方法

ここで持論を。
現在、中古マンションの価格は「取引事例比較法」と言って「近くのAマンションがいくらで売れたからこのマンションはいくら」という決め方が主流です。しかし、これは非常にアバウトな方法で、比較対象の室内の状態を見ることなく、単に立地、広さ、築年数等をベースにざっくりと価格を出す方法です。例えばキッチンを3年前に新しくしたからといっても価格にほとんど反映されません。
これではいけないので、近々に査定方法を変更すべきと考えています。

 

本来、マンションの価格を決める要素は3つあると考えています。
1.立地、2.管理、3.建物


これらを4:4:2に分けて考えるのが良いと思っています。
4:立地(土地)、4:建物、2:設備
管理と建物は足して、そこから設備を分けて考えます。都内の一等地ほど土地の割合が上がり、郊外に行くほど土地の割合が下がりますが、ここでは平均的な数字を。

土地は毎年価格が変動し、路線価等で動きが見えます。購入時点を100と考えて、現在がいくつであるかは明確に出せます。

建物は状態次第で変わりますが、当初20年くらい、いやもっと長くても良いですが、状態が良ければ価値が上がるものと考えて良いと思っています。コンクリートの寿命はドンドン延びており、100年持つことも普通でしょう。そう考えると、ある時期までは、しかっりと造られているもの、状態が良いものは価値が上がっていくと考えても違和感はありません。
また、管理については過去に適正な修繕がされてきているか?将来の修繕計画が適正であり、資金が不足しないか?という点がしっかりしていれば、ある程度までは築年数が経っているから価値が下がると考える必要はありません。

設備は15年くらいで減価償却すると考えます。購入時点を100と考えて、15年でゼロになるように計算します。途中で交換をしていれば、その時点から15年で計算します。

この考え方の基本は、住宅が安定した資産として価値が下がりにくい世の中にすべきというものです。何千万円で買ったものが20年で価値ゼロでは割に合いません。しっかりと価値が維持される世の中の方が消費者にとっては良いに決まっていますので。
 

この方法を現場に落とし込むには建物の評価の方法を明確にする必要があります。コンクリートの中を開けてみることはできないので主観が入ってしまうと思いますが、その中でも共通のモノサシを作ることは可能だと思っています。この話はこの位にしておきますが、必ず何とかしたいと思っています。
 

税制と金融は?

少し脱線しましたが、もう一点考慮すべきは税制と金融です。ルーキーとベテランとで、これらがどう変化するかです。現時点での比較をしますが、これは将来変わる可能性があります。そうなると価格を変える大きな要因になります。

例えば、「一定以上の断熱性能を有する建物の場合、住宅ローンの金利を大幅に下げ、減税も多くします」というルールができたとします。この時点で、それに該当するものとそうでないものの価格差がハッキリ出るということです。

現時点では、ベテランマンションは築25年以内であれば、金利、減税共にルーキーとほぼ同じです。一点だけ、建物の固定資産税がルーキーは5年間半額になるという点が違いますが、そもそもベテランは固定資産税の評価は下がっているので、ここでは体勢に大きく影響しないレベルと考えます。
つまり、税制と金融については、築25年以内であれば、ベテラン≒ルーキーということです。

結論は?

結論として、最大の違いは以下の点と考えます。

【ルーキーが勝る】   【ベテランが勝る】  
 設備等が新しい     実物を見られ、状態がわかる

前述の通り、設備は価格の約20%。ざっくり15年でゼロなので例えば築7年なら価格の10%くらい。
ベテランはルーキーと違って実物を見て決められるのでリスクが少ない。これを価格にどう反映させるかは難しいところですが、設備の割合と同じくらいと考えても良いほど、大事なことだと考えます。

つまり、ルーキーもベテラン(築25年以内)も同じ所に同じ建物で建っていれば、価格はほぼイコールと考えて良いと考えます。

ルーキーマンション≒ベテランマンション
新築マンション≒中古マンション

よって、ルーキーかベテラン(築25年以内)か、新築か中古(築25年以内)かは関係なく、「立地と建物」で購入の判断をするのが良いと考えます。(築25年超であれば、例え同じ立地、同じ建物であっても、ベテランはあきらかにルーキーよりも安くなければなりません。)

では、「立地と建物」の善し悪しはどのように見るのか?
「立地」についてはどんなに価値が高くても、住みたく無い場所はあります。主観によるところが大きいものなので人それぞれです。「建物」についてはチェック項目があります。これが弊社の得意分野です!皆さんぜひ相談にいらしてください。

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最後は宣伝になってしまいましたが、もう一度念を押します。

「新築マンション>中古マンション」ではなく、「新築マンション≒中古マンション」。
ただし、中古は築25年以内の場合。築年数ではなく「立地と建物」で物件選びをする。

いかがでしょうか?様々な意見があるところだと思いますが、ストレートに私の考えを書いてみました。
最後までお付き合いを有難うございました。

2012.3 山田 篤