※この文章は平成23年に書いたもので、フラット35Sの基準は変更になっています。
フラット35を利用できるマンションかどうか?チェックする方法を記しています。

「フラット35」利用を絶対条件に、中古マンション探しをする人が増えています。

例えば、3000万円を35年ローンで借りた場合、
「フラット35」金利2.62%(今月の中央三井信託銀行)109,188円/月
これが、「フラット35」だと当初10年間金利▲1.0%となり、93,629円/月
10年間で、1,867,080円 もお得になります。

これは税金が使われる“国の政策”なわけですが、住宅ローン減税(3000万円の借入で10年で約250万円)と併せると、3000万円の物件を購入して400万円以上の税金が使われることになります。
これが“健全な姿”かどうか議論は避けますが、”異常事態”であり、過去にも未来にもこんな時代は二度とないのではないかと思っています。

これまでの中古マンション売買では

「フラット35」という言葉を聞くだけで、耳を塞ぎたくなる不動産仲介営業がほとんどです。
これまで、中古マンション売買では「フラット35」はほとんど利用されてきませんでした。
理由として、
・融資承認までに時間がかかる
・特定の検査機関による物件調査が必要
などが挙げられますが、きちんとした比較もせず銀行ローンだけを薦めてきたのは事実だと思います。

しかし、ここまで「フラット35」の条件が有利になり、世の中に認知された以上、もう避けては通れないという状況になりました。

私の体験談

弊社は以前から積極的に「フラット35」を提案してきました。
そんな私が冷や汗をかく体験をしたので報告します。

「フラット35」利用を希望されるお客様と物件の内覧に行きました。
平成5年築、バブルの後半に建てられたM地所分譲の素晴らしい建物で、専有部共用部ともにTHE高級マンション!
行き届いた常駐管理で、文句のつけようが無い物件でした。
お客様にとても気に入っていただき、購入していただく方向になりました。

このマンションで「フラット35」が利用できないはずがない。
そう思いつつも、念のため契約前にさくら事務所に調査を依頼しました。
その結果に唖然。。。「フラット35」利用不可でした。

「適合証明書」が必要

「フラット35」を利用するためには、その物件が基準に合致しているという「適合証明書」を取得する必要があります。これは、物件の売主が不動産業者の場合は、既に取得済や取得できることがわかっているケースが多いですが、売主が個人の場合は、取得できるかどうか“買う側”が調査しなければいけないケースがほとんどです。
前述のように、「多分大丈夫であろう」と言って話を進めてしまうのは大変危険なので、契約前にチェックをすることをお薦めします。
不動産仲介営業のほとんどは不慣れなので、以下の順で自分でチェックをしてみてください。

①「らくらくフラット35」掲載マンション検索
都内266,683戸、神奈川県160,044戸については、検査機関の調査なしに「フラット35」が利用できます。ここに登録されていたらラッキーです。「フラット35」のホームページをご覧ください。

②昭和56年6月1日以降の「建築確認」かどうか

以前の場合・・・自力で調査するのは厳しいです。検査機関に任せましょう。
以降の場合・・・以下の項目をクリアーする必要があります。

・接道義務・・・原則として一般の道に2m以上接道
・住宅の規模・・・30㎡以上
・住宅の規格・・・原則として2以上の居住室(カーテン等で仕切れればOK)、キッチン、トイレ、浴室の設置
・併用住宅の床面積・・・住宅部分の床面積が全体の2分の1以上
・住宅の構造・・・耐火構造、準耐火構造または耐久性基準適合

ここまではほとんどの物件がクリアーできるでしょう。
ここからが大事です。

・劣化状況・・・外壁や柱等に鉄筋の露出がないこと等
・管理規約・・・「所定の事項」が定められていること
・長期修繕計画・・・計画期間20年以上(作成時期がH6年度以前の場合は15年以上)

鉄筋が露出しているマンションは買いたくないですね・・・。これは目視で確認することになります。
長期修繕計画については有無を確認してください。
問題は、管理規約の「所定の事項」です。

管理規約の「所定の事項」とは?

①対象物件の範囲
②共用部分の範囲
③管理費等
・区分所有者が管理費等を管理組合に納入しなければならない
修繕積立金の使途範囲
・一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
・不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
・建物の敷地及び共用部分等の変更
・建物の建替えの合意形成に必要となる事項の調査
・その他、敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要なる管理
・上記のための借入資金に関する償還
⑤修繕積立金の区分経理
・修繕積立金については管理費と区分して経理しなければならない
⑥管理組合の業務
・管理組合が管理する敷地、共用部分及び付属施設の修繕及び変更に関する業務が管理組合の業務とされていること
⑦集会の議決事項
・収支決算
・収支予算
・管理費等及び使用料の額並びに当該費用の賦課及び徴収の方法
・「修繕積立金の使途範囲」に充てるための資金の借入及び修繕積立金の取り崩し

この中で要チェックなのは、④修繕積立金の使途範囲です。
前述のマンションはこの項目に以下の文言がありました。

「集会において修繕積立金より充当する旨決められた費用」

この一文があったが為に、「フラット35」利用不可だったのです。。。

最低限の基準

「物件購入前に、管理規約や長期修繕計画を確認しましょう」
こう言われるようになり、とても良い流れだと思います。

しかし、「どう見ればよいのか?」ということについての解説は皆無と言ってもよいでしょう。
この「フラット35」の管理規約に関する基準は、国が考える“最低限こうあるべき”という基準と考えて良いと思います。そういう意味で、「フラット35」を利用しない人も、このチェックをすることお薦めしたいと思います。

最後に、「フラット35」の基準に合致するにはどうすればよいか?
答えは「フラット35」の基準クリアー+「浴室に手すり」です。
よって、「フラット35」の基準がクリアーできれば、100%クリアーできると言ってしまってよいでしょう。
手すり一本で、税金180万円か~・・・。

ちなみに「フラット35」は、平成23年9月30日の申込みまで有効です。

平成24年4月追記
「フラット35」については毎年何らかの改正があります。
詳細はお問い合わせくださいませ。

理想的な中古住宅購入の流れは「中古住宅を買いたい」をご覧ください。